🌎FF殺戮の歴史
殺戮の歴史の話題になったのでこのテンションで書き上げた小説?いや違うと思うけどなんか話をあげとく。
DM来てくれた子はこれ読んでね‼️‼️‼️‼️
⚠️これ少しずつあげったからなんかもう話のつなぎ目ゴタゴタだけど目をつぶってみてね!
「ん…ここ、何処だよ……」
いつもと違う寝起きの感覚に戸惑う。
昨日はベッドに入ってTwitterして、そのまま寝落ちたはずなのに。
今感じるのは暖かく柔らかい布団ではなく、無機質でどこまでも冷たい硬い感覚だけ。
痛む身体に鞭を打ち、起き上がって周りを見ると、そこは全面ツルツルの黒い素材でできた装飾など一切ない部屋だった。そして、沢山の人が転がっていた。視認で大体20。
「あ〜、昨日コンタクト外さずに寝ちゃった」と現実逃避してしまうくらい非日常な光景が広がっている。
「んんっ……はぁ?ここなに……」
隣で声が聞こえる。見覚えのない顔だ。
「あはは、パンツの色何色ですか?」
どうやら、この子も現実逃避しているらしい。
戸惑っていると、彼女が
「えっとお名前伺っても?」と尋ねてきた。
私は咄嗟に「しげおです」と答えてしまった。最近ツイ廃がすぎるなぁ…
「えっ!?しげちゃん???私だよ私!!!るかちん!るかちんこだよ!!!」
驚いた。こんな所で出会い厨かませるなんて思ってもみなかったからだ。
「るかちん??良かったあ、みんな知らない人だと思ったから1人でも知り合いいて!!!!!」
「それにしてもここどこだろ…」
「うちもさっき目覚めたばかりだから…」
すると、続々とみんな目覚め始めた。確認してみると、全員私のFFみたいだった。
ザザッザザザザー
不愉快な機械音。みんな思わず耳を塞ぐ。
『みなさん、こんにちは。
急にこんな所に集められて混乱していることでしょう。うふふ、ここに集まってもらった理由は明快。今から皆さんに、殺し合いをして頂きます。デスゲームですね』
私たちの非日常がここから始まる。
「なにそれ、厨二病こじらせてるの?笑えないよ???」
真っ先に辛辣な言葉を投げつけたのは、さんた。
「そうだよねぇ、ここは現代日本だし、普通に逮捕は免れないと思うけど?」
続いたのはにむちゃん。
『落ち着いてください。何を吠えても無駄ですよ?
今から皆さんに殺し合いをして頂きます。ルールは簡単。どんな手を使っても構いません、たくさん人を殺すだけ。ルールはたったそれだけです。最後の一人まで生き残った方は、この先の人生の安寧を約束致しましょう。』
『この建物は太平洋のある無人島に建設されています。滅多に近海を船が通ることは無いので、外部に助けを求めることは不可能ですよ♪』
『最後に、皆様にはもう一度眠って頂きます。こちらでペアを作り、ペア毎に拠点となるような建物へ移動させて頂きます。そこに、こちらが用意致します武器等置いてありますので、ご活用ください。
それでは、皆さん、ゲームを楽しんでくださいね♪』
ザザッザザザザー
そこで私の意識は途切れた。
ああ、眩しいな………
さっきとは違う柔らかな感覚。
起きたことが全て夢だったかのように感じる。しかし、目の前に並ぶ今まで手にしたことの無いような人を傷つけることを目的とした武器たちが私に現実であったことを突きつける。
ごそっごそ………
隣で誰かが動く気配。
ふと目をやるとそこで眠っていたのは、しけだった。
「起きて、しけちゃん、起きて」
「ん〜??あっおっおはよう!しげちゃん!!」
「おはよ」
「夢じゃ…なかったんだね……」
「うん………今でも信じられないけど」
「死んじゃうのかな?この状況嫌でも信じないといけないよね…」
「生きようね、一緒に。誰一人死なずに!!!!!」
「そうだね!!!!!頑張ろう!!」
この時の私を振り返ると、どれだけ甘い考えだったのか、嗤うことしか出来ない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『ねえ、ねえ、今日誰か死ぬと思う??』
『どうでしょう、誰も殺せないかもしれませんねぇ、その時は貴女達の出番です。お願いしますね?』
『うん!任せといて!私がみんなの仲を引っ掻き回してあげる♪』
『殺されるより、殺したい♪早く逝かせてね〜』
『ふふ、頼もしいですねぇ〜』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
side:ミルキーウェイ&唯川
「うっわ、すごい量の武器だね……初めて見たよ……あはは…」
と、おもむろに武器に手を伸ばす唯川。
「す、凄いね……これ、使うことにならないといいのにな…………」
そう呟くミルキーウェイをチラリと唯川が見る。
「覚悟はしないといけないと思うよ、ほら、エイッ」
ジャキンっと手に持っていた銃をミルキーウェイに向ける。
「え?え???冗談だよね???」
混乱し、何も出来ない。
「ほぉら〜そうやって油断してると殺されちゃうよ〜??いつも気にしてないと〜、いつ私が殺しちゃうかもしれないのに。あはは、あはははは」
「……ッ」
ミルキーウェイは思わず唯川を睨んでしまう。
「そんな怖い顔しないでよ〜。しばらくは安心して?私だって進んで殺しがしたいわけじゃない。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
side:にむ&その
「誰?!?こんな馬鹿馬鹿しい遊び考えたの!!!!!全然面白くないよ!!!!!私のクソツイの方が何倍も良い!!!!!!!!!!」
「おっ、落ち着いてよ、にむちゃん……」
とそのがニムを宥める。
「ごめん……そのちゃんに当たっちゃったね……ごめん………」
「いいんだよ!全然!!!!こんな状況だもん!気も狂うよ…」
「うん…ありがと」
チラリとそのから目を外す。
「……?どうかした??なんか変だよ??」
「実はさ、私、あの放送の声、聞いたことがある気がするの…勘違いだったらいいのにな…」
「ん〜?私はよく覚えてないなぁ、いきなりの事だったし?気にしすぎじゃない?」
「そうだよねぇ!」
と、にむは言いつつもどこか心が晴れることは無い。
犯人に繋がる唯一の手がかりだと気づいているから。
side:ひじり&如月
「ひっ、ひりさっ、、ひりさん!!!!」
「お、落ち着こ。落ち着いて。」
「こ、これ、本物???」
「うん、おそらくそうだと思う。にしても丁寧だね…ガトリングガンから、チェーンソーまで………武器の幅が広い…」
「……ッ、ほ、ほんとに殺し合いする…の…」
ひじりはなんと答えていいか分からず黙り込んでしまった。
そんなひじりを見て、
「ひりさん!私は絶対にひりさんの味方だからね、絶対私がひりさんを殺すことは有り得ない。必ず守ってみせる…!」
「ダメだよ、らぎ。あなたは1番にあなたの命のことを考えて。いい??」
「…ッ」
如月は決して返事をしなかった。
side:紗々&よう
「うっわあ、嘘じゃなかったんだ」
「まあ、あそこまでやってドッキリでした〜とかもないよね…」
「とりあえず、外散策してみる??地の利って大事だし」
「それもそうか、必要最低限の武器だけ念の為にもっとこっか」
と、無駄のない動きで武器を選び始める。
「そう…だね……」
紗々は武器を持つことに躊躇う。少し、ようの姿に違和感を覚えるが、気の所為と頭を振る。
私たちは結構眠っていたらしく、すぐに日が沈んだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザザッザザザザー
『皆さん、こんばんは。本日の連絡です。
現在死者、重傷者、軽傷者ともに0人です。』
『大変宜しくない結果ですね。私とてもガッカリしてしまいました……
こんなのが毎日続いてなあなあに過ごされるのはこちらの本意ではございません。
ですので、こちらからささやかな刺激をプレゼントさせていただきます♪』
『それでは良い夢を……♪』
ザザッザザザザー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
放送の声の主を信じるならば今日、死者は誰も出ていない。
誰もが眠れぬ夜を過ごした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザザッザザザザー
『おはようございます♪今朝の死者は紗々さん。死因は紗々チョコレートが口いっぱいに詰められて、結果的には窒息死のようですねぇ。重傷者0人、軽傷者1人です。
私がプレゼントした刺激が動き始めてくれたみたいですね?良い兆候です♪
この調子でゲームを楽しんでくださいね♪』
ザザッザザザザー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あはははは!!!!!楽しいゲームのはじまりでふよ♪」
「たくさーん殺しちゃお♪」
「「おーー!!!」」
side:さんた&るかちん
「えっ、誰か死んだの……???」
「えっ、えっ、そんな、、嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたく、死にたくない、死にたくないよぉ〜……」
「るか!落ち着いて、取り敢えずちゃんと武装して外に出よう。ここに留まり続けるのは危険だと思う。」
るかは、コク、コクッ、、と頷くことしか出来ない。
さんたとるかは相談して、各々拳銃を二丁づつとサバイバルナイフを持っていくことに決めた。防弾チョッキとヘルメットをして、できる限りの防御を整える。
2人で拠点の外へと足を踏み出した…
外は森だった。整えられた島ではないことがひと目でわかる。
「あは、ほんとにサバイバルゲームみたい」
「わ、笑えないよ!さんた!!!!」
「ん〜、でも、ちょっと憧れて……」
「ちょっ!急に黙らないでよ!!!!!」
「ねぇ、るかちん、ほら、あそこ、誰かいない??」
そう言って、さんたは森の奥を指さす。
「え??あれ???ほんとだ」
「んん??あれ、オコジョ???」
「オコジョ〜!!!!!!!!!!!!!!!」
さんたは大声でオコジョを、呼ぶ。
「辞めて!!!!!もし、オコジョが紗々殺してたら……」
side:さとう&はさら
2人は初対面だった。こんな場面で出会うなんて嫌だね、なんて笑いながら仲を深めようとしていた矢先、死亡者が出たことが告げられる。
「これ、ほんとにデスゲームなんだね…」
「死にたくないな…まだ高峯に貢ぎたかった…」
「私も…椎名に貢ぎ足りない……」
ドンドンドンドンドン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
2人の拠点のドアを激しく叩く音が聞こえる。
「だっ誰!!!!!!!!!!」
「い、いやぁああああああああぁぁぁ!!!!!」
「オコジョがッ!オコジョが!!!!!!!!!!!!!!!」
響くのはさんたの声。
「さんた!?!?さんたなの???」
「さとう??オコジョには気をつけろ!!!!!!!!!!!!!!!あったらすぐに逃げろ!!!!!!!!!!」
そう言って、さんたは走り去ってしまった。
え?え?と、2人で混乱することしか出来ない。
この時、早く逃げておけばよかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザザッザザザザー
『お昼のお知らせです♪死者、るかさん。死因は撲殺のようですねぇ??近くに瀬名泉のアクリルスタンドが血だらけで落ちていたみたいですよ??重傷者0人、軽傷者2人です。この調子で頑張りましょう♪』
ザザッザザザザー━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
side:紗々
はぁっはぁっはぁっはぁっ
なんでこんなことになってるんだ。
なんで!!!!!ようちんあの野郎!!!!!!!!!!!!!!!
死んだら祟ってやる!!!!!くそっ!!!!!!!!!!
「アッ!!!!!」
気に足を取られて転んでしまう。
膝はじくじくと痛くて、思わず涙で視界が滲む。泣いている場合じゃないのに!!!!!
なんで…!!!!!なんで……!!!!!殺されないといけないのか!!!!!!!!!!!!!!!
転んだ時に足を挫いてしまったようで上手く足に力が入らない。
『さーしゃちゃん♪まだ逃げるの??
もう、鬼ごっこ飽きちゃったよ♪』
私は絶望で目を見開いた。オコジョが私を殺そうとしてくるのだ。
「なんでッッッ!!!!!私を殺すの!?!?」
『ん〜??私が処刑人だからかなぁ?神様からの刺激のプレゼントは私たち♡
私は優しいから、あなた達の好きなもので殺してあげる♪せめて幸せに逝こうね♪』
ああ、私はここで死ぬ。くそっ、もっとやりたいことだっ
「!?!?」
『紗々ちゃんは、紗々チョコが好きなんだよね??これをいっぱい食べて死のっか♪』
side:さんた&るか
「オコジョ〜!!!!!!!!!!」
「なっなんで呼んじゃうの、もし、もしだよ?オコジョが紗々ちゃん殺してたら、ど、どうするつもり??」
「大丈夫じゃない?」
すると、人影がこちらを向いた。
「あっさんたとるかちゃん?」
「あれ〜?オコジョ1人なの??」
ようは1人サンタの後ろに隠れ続ける。
「ん〜?えっーと、しのちゃんとペアなんだけど、はぐれちゃったんだよねぇ〜?さんたとるかちゃんは2人だけ??」
「うん、とりあえず散策してみようかと、」
「そっかぁー、じゃあ死のっか♪」
「えっ?」
私は驚きの声を上げる。
るかはまるで察知していたかのように逃げ出す。
私も慌てて後を追った。
『え〜もうみんな鬼ごっこが大好きなんだねえ〜?もう疲れちゃうからやなんだけどなぁ。』
必死で逃げ続ける。こいつに捕まれば殺されてしまう。
すると、目の前を走るるかの姿が急に消えた。転んでしまったようだ。
「るっ、るか?!?!?大丈夫!?!?」
「いっ痛いッ!!!!!痛いよぉ!!!!!!!!!!!!!!!」
るかの足に細く、鋭いワイヤーがくい込んでいた。既に柔い肌を傷つけ、足にくい込んでしまっている。
「なっなんで!!こんな!!!」
『鬼ごっこ疲れちゃうから、先に罠をしかけておいたんだァ♪』
「〜ッ!!!!!くそっ!!!!!!!!!!!!!!!」
ふと私の手首をるかが握る。
「さんた、逃げて。逃げてみんなに伝えて。」
「そんな!!そしたらるかが!!!!!!!!!!」
「いいから!!!!そんなこと気にしなくて!!!!!!!!!!!!!!!早く!!!!!逃げろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「でも!」
「でもじゃない!!!!!!!!!!!!!!!2人とも死んだら他に誰が伝えるんだよ!!!!!!!!!!早く行け!!!!!」
るかの勢いに圧されて私の足はまた動き始める。もう前もよく見えない。
わかるのは、何が起きたかみんなに伝えないといけないということだけだった。
『良い子だねぇるかちゃん♪あなたの大好きな泉さんにはなれないけど、せめて泉さんで殺してあげるね♪』
ああ、さんた逃げ切ってね。
side:はさら&さとう
「ねぇ!!どうする!!はさらちゃん!!!!!逃げないと逃げよ???」
「やだよぉ!ここなら壁が守ってくれるかもしれないじゃない!!!!!銃を使われたら死んじゃうよ???」
コン、コン、コン、コン
「……ッ!!!!!」
2人で息を飲む。
『ん〜?どうして返事してくれないの???』
(オコジョの声だ…!)
『ねぇ!!なんで!?!?』
『仲間はずれは酷いよ!!!!!どうして???どうして返事してくれないの??どうして開けてくれないの???』
『『『ねぇ!!!!!!!!』』』
私たちは2人で震えることしか出来ない。
ガコンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!
ドアが蹴破られてしまった。この建物に逃げ場はない。
私は咄嗟にはさらの腕を握ってドアへ向かって駆け抜ける。
自分の方へ走ってくる2人の姿に不意をつかれたオコジョの横を抜けて、建物の外へと出ることに成功した。
「行くよ!さとうちゃん!!!!!」
まだ逃げきれた訳では無いのだ、油断してはいけない。
「はさらちゃん…ッッッ」
さとうが私を泣きそうな目で見てくる。そんなことしている場合じゃないのに!
もう一方のでもさとうの腕を掴んで前に進ませようとする。
「え?」
いつものように手を伸ばしてもそこに、先がないのだ。
私の手首から先が無くなっているのだ。
「あっあっああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!!」自覚した途端に立っていられないほどの痛みが私を襲った。
そして追いつかれてしまった。オコジョに。
『探し物はこれかな?』
そう、私の腕をクルクルと弄びながら。
私はここで終わりだ。そう確かに感じた。
せめて、せめて、はさらちゃんだけでも逃がさなければ、
「さとうちゃん!逃げて!!早く!!!」
「いや、いやぁ」
さとうは腰が抜けてしまっているようだった。仕方の無いことだろう。普通に生きていればこんな光景目にすることなんてないんだから。
『さとうちゃんは、椎名くんが大好きだったよね??じゃあ、椎名くんの料理みたいに、焼いちゃおっかな?』
バシャァッッツ!
どこから取り出してきたのか、全くわからなかったけれど、何かの液体をかけられた。
どこか甘ったるいような不快な匂い。おそらくガソリンだろう。
やめて、さとうをころさないで??
もう、腕のない私を殺して???
ボッ
それは火がつく音だった。
ああ、さとうちゃんが燃えてしまう。
苦しんでいるのに何も出来ない。どうしたらいい???
「おこ…じょ……?」
後ろから誰かの声が聞こえた。
「唯ちゃーーん!!急に走ってどうした…の…?
えっ、これって、え?!、消さないと、火を早く!!」
ミルキーの声でみんなが我に返る。
必死で消火したが、さとうはもう手遅れだった。
「さとちゃ、さとうちゃん………」
私は泣くことしか出来ない。腕は痛いしもうめちゃくちゃだ。血がどんどん抜けて、身体が死んでいくのがわかる。辛い。もう早く死なせて。
『うん、死んじゃおうね?』
そう言ってオコジョは私の首を剣でかっさばいた。
守ってあげられなくて、ごめんね、はさらちゃん。
【視点:唯川】
目の前で2人も人が死んだ。なんで??なんで???
ミルキーが何か言ってるけど、もう何も聞こえない。
しかも、なんでオコジョが……?
「オコジョ…何かの嘘だよね??ねぇ!そうだよねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
嘘って言ってよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『やだなぁ、唯川。冗談下手くそになった?? この状況でどうして私が殺してないって思えるの??ぜーんぜん面白くないよ??』
もう、私の知ってるオコジョじゃない。
毎日、氷鷹誠矢実装させる野望を語るオコジョじゃない。
「もう、こんなオコジョ見たくないよ。
これ以上、オコジョが誰かを殺すなんて耐えられないよ。せめて、私の手で死んで??」
『いいね!その意気だよ!!!!!いっぱいいっぱい殺意を抱えてどんどんみんなで殺しちゃお??こんな退屈な世界飽き飽き…もっとみんなで楽しくなろ?』
「死ね!!!!!オコジョ!!!!!!!!!!」
『死ね!!!!!唯川!!!!!!!!!!!!!!!』
バァーンッッッバァーンッッッ
こうして、私は友達を手にかけてしまった。
あははは、あははははは、あははは、そうだよ、私はオコジョを殺したんだ!!!!!!!!!!!!!!!
『あははははは、アハハハハハハハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!そうだよ!!!!!みんな!みーーんな!!!!殺しちゃえ!!!死ねばいいんだよ!!!!!みんな!!!!!!』
「唯ちゃん……?ねぇ、落ち着いて!!!!!正気を取り戻して!!!!!唯ちゃんッッッ!!!!!!!!!!」
ああ、うるさいなぁ、ごちゃごちゃと。
死んじゃえ☆
パァン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザザッザザザザー
こんばんは。夜のお知らせです。
死者は4人
さとうさん、焼死
はさらさん、失血死
オコジョさん、銃殺死
ミルキーウェイさん、銃殺死
皆さんこの調子です♪沢山たくさん、殺しましょう♪そしてその様を私によぉ〜く見せてくださいね♪
ザザッザザザザー━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
side:木村&夜狐
「あ〜もうなんで!こんなに!人が死んでるの!?!?!意味がわからない!!!!!」
趣味のファミマハズレbotも出来ないし!!!!!
ほんとにイラつくなぁ!
「まあ、落ち着きなよ木村。そんな大声出してたら見つかるよ……?」
「冷静だねぇ?」
「だっ、だって、まだ周り誰か死んだ訳じゃないしさ…現実味が無くて…」
「あははははは、楽観的なことだねえ!
その心構え治した方がいいよ。事実こんだけ死んでるんだ。出会う人全員殺すくらいに思わないと。」
なんでそんなに楽観視できるんだ。いつ死ぬかも分からないのに。
私は手当り次第威力が強そうな武器を手に取っていく。
『あーあー、オコジョ死んじゃったの??
早いなぁ、あははははは、オコジョの分まで沢山人殺してあげるからね?
キャハハハハハハハハハハハハハハハハハ』
side:ちょぎぃ&ひー
私は絶対死にたくない。なんでこんな年で一生を終えないといけないの??そんなの絶対に嫌だ。
「ちょぎぃちゃん、私、絶対生き残りたい。」
「うん、生き残ろう。協力するよ♪」
何が協力するよ、だよ。確かに放送の声は生き残れるのはたった1人っていたんだ。2人で生き残れる訳じゃない。絶対どこかで裏切られるんだ。
「……そんな綺麗事言って、どうせ最後裏切るくせに」
「あはは、大丈夫だよ。私が目指すのは美しくて儚い死に様。それが達成できるなら別に死んだっていいよ?」
そう朗らかに笑うちょぎぃが私には理解できなくて、恐ろしいものに見えた。
side:ひょうそ&猫派のオタク
「きっきのぅ、5人も死んじゃった………」
そう話すひょうそはどこか目が虚ろだ。
仕方の無いことだろう。強がってはいるがまだ、中一なのだ。平気な方がおかしい。
ここは森の中。なんだか焦げ臭いような気もする。
「ヒッッッ!」
突然ひょうそが引きつった声を上げた。
「どうしたの…?」
「あっあれ」
ひょうそが一点を指さす。
あれは……
「死体?」
ああ、これは見せてはいけない。
咄嗟に私はひょうその目を隠す。死体がこんな近くにあるんだ、犯人が近くにいる可能性が高い。早く逃げなければ。
「ここから離れるよッ!!!!!」
もつれながら付いてくるひょうそを気にしながら、走り出す。どうか手遅れでないようにと願いながら。
『どこいくのぉ?』
ああ、遅かった。
そこに立っていたのは紫乃だった。
「し、しのちゃん??」
「早く!走って!!ひょうそ!!」
「え?」
ひょうそはまだ状況が理解出来ていないようだ。はやく、手遅れにならないように!!!!!
「走れ!!!」
私の声に気圧されたのか、ひょうそが走り出す。このまま、どうか。私がこいつを食い止める。
パァンッ
それは、紫乃がひょうその足を撃ち抜く音だった。
「いた、いたぃ。あああぐぅあああああ!!!!!」
『逃がさないよ〜♪』
『そんなに慌てなくもいいと思うんだよね〜誰も私あなた達のこと殺すなんて言ってないでしょう??』
と言いつつ、手に持っていたチェーンソーに電源を入れる紫乃。
何が殺す気がないだ。ひょうそを逃す術はないか???
『あなた達のどちらか1人は活かしてあげる♪どう??どっちが生きる??どっちが死ぬ???』
「なっ、なんで私たちを殺すの???」
そうひょうそが尋ねる
『ん〜私が処刑人だから?殺すことが神から与えられた使命だから♪』
『さあ!どっちが死ぬ??』
ひょうそは何としてでも生かすッッッ!!!!!
side:みねお&りんか
パァンッ!!!!!
「ねぇ、今のって、まさか……」
「銃声だね……聞こえるってことは」
「行くよッッッ」
「みねおちゃん!どこに!!」
「どこにって!銃声がした所にだよ!!!!!」
今ならまだ助けられるかもしれない。
急がなければ!!
「いやだ!行きたくない!死にたくないよ!!!!!一緒に逃げよう??みねおちゃん!!」
「私は行くよ。見捨てたりなんかしたくない。別に着いて来なくてもいいよ。だってこれは命が関わるから。」
仕方がない。助けたいって言うのは私のエゴ。りんかを無理やり付き合わせる訳には行かない。
「行くね。」
「ずるいよ……そんなこと言われたら、ついて行くしかないじゃないッッッ!」
「そんなつもりじゃ…」
「いいよ!もう早く行こう!!武器持った?!?」
りんかは泣きながらでもハッキリとした決意で着いてくることを決めてくれた。
私はこの覚悟を無駄にしたくない。
「急ごう」
しばらく森を走ると、普段絶対に嗅ぐことの無い、硝煙の匂いが微かに風に乗ってくる。
目的の場所は思っていたよりも私たちの拠点から遠くなかったらしい。
目の前では、足を撃たれのたうち回るひょうそと、紫乃を睨みつけながら、ひょうその傷口を押さえる猫派がいた。
私は瞬時に状況を理解した。
これは紫乃が危ない。
「りんかッッッ!ひょうそを抱えて逃げろ!!!!!」
「えっ、わ、わかった!!!!!!!!!!」
一瞬戸惑ったようだが、りんかはひょうそを連れて逃げてくれた。
「やだ、やだぁ!!猫ちゃん!!!!!!!!!!待って、猫ちゃんを置いていかないで!!!!!」
そう泣きながら縋るひょうそを抱いて。
『あ〜あ、逃げちゃった。それじゃあ、猫派ちゃんが死ぬってことでいいのかな??』
は?そんなのなんだ???
絶対に私がこれ以上誰も死なせない。
「うん、俺が死ぬよ。だからひょうそは絶対に殺すな!!!!!」
『うん♪いいよ!
それじゃあ死ね♪』
そう言って紫乃がチェーンソーを構えた。
やめろ、絶対にやめろ。もう殺すな。誰も死なせない。
紫乃に向かって反撃しようとしたその時。
「約束したからね?」
パァン
乾いた音が響く。
猫派が自分のこめかみをら撃ち抜く音だった。
『あは、あはははははは!死んじゃった!!!!!
死んぢゃってるよ???あははははは!!
死んだら約束守られてるかなんてわかんないのにwwwwww』
「ああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!」
私は紫乃に向かって突進する。
なんで死んじゃったの…?なんで…?
2人で生きれたかもしれないのに…?
間に合わなかったの?たすけらなかったの?
ねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
私は紫乃に突進する。
使うことは無いだろうと思って、りんかに隠れて、こっそり仕込んでいた最終兵器。
身体中に巻き付けた爆弾の起爆スイッチを押して。
『離せ!!離れろよ!!!死ね!!!!!!!!!!』
必死で紫乃にしがみつく。
紫乃が手当たり次第にチェーンソーを、振り回すものだから、身体中が、傷つけられる。
どこか、欠けているかもしれないけど、もう痛いこと以外分からない。
これが生きている感覚。
私が今手放そうとしている感覚。
あ〜楽しかった!
もうちょっと生きたかった…
ドガァアアアンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!
振り返るりんかの目に、みねおの姿が映ることは無い。
見えるのは一面の炎だけ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザザッザザザザー
『こんにちは♪お昼のお知らせです。
死者は3人
猫派のオタクさん、自殺。
紫乃さん、爆死。
みねおさん、自爆。
うんうん、とってもいい感じですよ♪
もっと私を楽しませてくださいね?』
ザザッザザザザー━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『あははははは、あぁ、面白いですね〜♪
オコジョさんも、ようさんも死んでしまいましたけど、あと一人こちらにはカードがありますから……まだまだ楽しめそうです♪』
「うるさい!!!早くここから出せ!!!!!!!!!!」
『ん〜??いいんですか??外は絶賛デスゲーム中ですよ??』
「…ッッッ!どうせ私だって殺すくせに!!!!!」
『うふふ、それはあの子しだいですかね♪』
side:ゆっぴー&なー
「ははっすごい沢山死んでいく。」
「ね〜、少し前まで顔も知らないみんなとTwitterでワイワイしてただけなのに」
「死んでるってことはさ、殺してる人もいる訳で、なーんか変な感じだねぇ」
「ゆっぴー楽観的すぎでしょ」
そう言って薄く笑うなーをちらりと見る。
誰が楽観的になんて居られるか。私の知り合いだって死んでいるのだ。生き残れる最高人数はたったの1人。
このペア制度だって、いつもお互い殺されるかもしれないという恐怖を抱えさせるためにあるのだろう。
生き残るためには裏切りが必要。
何が至極簡単だ。どこまでも残酷な仕様。
ああ、救えないねぇ。
「どの武器使う?」
そう、なーが問いかけてきた。
「そうだね……なーはどうするの??」
「私はこれ使おうかな……」
そう言ってなー、はサバイバルナイフを手に持つ。
「銃とか使えるかわかんないし……」
ああ、きっと今なら殺せる。誰だって死にたくはないだろう。私だって死にたくないのだ。
どうしたらいい??
そう、おもむろに拳銃に手を伸ばす。
ご丁寧に弾は既に充填されていた。
「ごめんね、生きたいの。」
「え?」
パァンッッッ
「いっ、痛い!!痛い!いたい!!!!」
なれない拳銃では致命傷を与えることが出来なかった。
いつの間にか泣いていたのか、前が見えない。
苦しんでいる、早く死なせてあげないと。
ああ、ああああ。
パァンッパァンッッッパァンッッッパァンッッッ
弾が無くなるまで撃ち続けた。
なーの遺体は決して綺麗ではない。
ごめんね、ごめんね。
綺麗に殺してあげられなくてごめんね。
絶対に生き残るから。
side:さんた
もう全部の拠点を見回ったのに、誰もいない。
拠点から離れたのだろう。
もうるかは死んでしまった。誰かがみんなを殺して回ってるらしい。
嗚呼、羨ましいな……
もういいんじゃないか??自分に正直になって。私だって人を殺したい。
殺される瞬間、人はどんな顔をするのかな?
絶望するの??それとも、最後の最期まで生にしがみつくのかな??
みたいな。もういいかな??
いいや。もうなんだって。
だってこれはデスゲームだから♪
side:刺身&萪
「ふじちゃん、たい、へんなことになったね。」
「まさか自分が死ネタの舞台に立つなんて思わなかったよ………はは」
そう私は乾いた笑い声を漏らす。
どこか引っかかるあの喋り方と声音。
絶対に聞いたことがあるのだ。
もしかして……?
「あのさ、さしみちゃん、、私、多分あの声の主がわかる気がする……
信じたくないけど、あのこeッッッ」
キィィィイイイイイイーーーン
耳をつんざくような不快な音。
思わず耳を塞ぐ。
『ダメですよ、死にたいの??』
脳内に直接響くあの声。
やっぱり貴女なんだね。
「これってまさか…………」
「うん……」
気づいてしまった私たちはきっともう生き残れない。
『やっぱりバレてしまいますか……
あの子に接触して、2人を殺していただきましょう♪』
side:りんか&ひょうそ
立ち止まるな!!!!!!!!!!
とっとりあえず止血しないと!!!!!
ひょうそちゃんは絶対に死なせちゃいけない。
猫派ちゃんとみねおちゃんの願いがかかってる。
泣いている暇なんてないんだ。どう生き残るか。考えろ考えろ考えろ考えろ!!!!
小屋が見える。ああ、誰かの拠点だろう。
誰でもいい。手を差し伸べてくれ。
コンコンッッッ!
「開けてください!ひょうそちゃんが足を撃たれてしまって!!治療だけでも!お願いします!!!!」
がちゃり
「ひょうそが!?!?」
そう言って出てきたのは、にむだった。
「にむ〜、どうしたの〜?
エッひょうそちゃんすごい血ぢゃん!!
早く手当しよ!!!!!」
そう言ってそのとにむがひょうその手当を請け負ってくれた。
「はい、これ。飲みなよ…すごい顔だよ?」
そのがホットミルクを用意してくれた。
お言葉に甘えて飲ませてもらう。
温かくて、優しくて、今までのことが夢に思えてくる。ずっと苦しかった。泣きたかった。みねおちゃん、みねおちゃん、どうして逝っちゃたの?私にひょうそちゃんが守りきれるかな?
気づいたら嗚咽を洩らして泣いていた。
なく私の背中をひょうその手当を終えたにむがそっと撫でてくれていた。
side:しげお&しけ
「もう、何人死んだ?」
「どうだろ、数えたくないよ……」
集められたのは私のFF。どんどん仲のいい子が死んでいく。誰だよッッッ!!!!!殺してるのは!!!!!
「ねぇ、しげ、死にたくないよ……私」
しけがそう言って俯いている。
死なせたくないな、私より優秀だもん。
Twitterばっかりやって、毎日落単落単しかツイートできない私とは違う。
最期までしけは守ろう。
「ここにいるのも危ないと思うんだ。しけ、外に出よう。」
「うん……」
そう言って2人で武装を始める。
私たちの選んだ武器は、手榴弾。
扱いは簡単だけれど、威力はバツグン。
足留めは最も向いていると思ったからだ。
過度な武装は足を重くする。
私は一丁足りない拳銃に気づかないことにした。
私たちは拠点を後にする。
side:ちょぎぃ&ひー
私は鬱鬱と森を歩いている。それとは対照的にちょぎぃの足取りは軽やかだ。
憎たらしい程にこの状況を悲観していない。
何やら私たち以外の物音がする。誰だ??
歩いてきたのは夜狐と木村。
「あっ!夜狐ちゃん!木村ちゃん!!」
「あれは、ひーちゃんとちょぎぃちゃn」
木村が何かを投げてきた。
私の視界が一気に揺れる。
え?
バァッン!!
激しい爆発音。痛い、いたいよ。、なに??
「大丈夫?ひーちゃん。」
目の前には苦しそうに笑うちょぎぃ。
「木村ちゃんに手榴弾投げられちゃったみたいだねぇ」
私の顔にパタっと生温い液体がかかる。
これは、血??
「ちょっと!木村!!なにしてんの!?」
「出会う奴はみんな敵かもしれないッッッ!
先に殺らないと、私たちが獲物になるんだよ??なんで!分かってくれないのッッッ!!!!!」
「ちょ…ぎぃちゃん??」
「いたたた、これはながくもたないかもねぇ、どうしようかねぇ…ひーちゃん、一人で逃げれる?」
「どうい…うこと?」
「私が2人を絶対に足止めするから、その間に逃げてね?」
そうにっこりとちょぎぃは笑う。
「そしたら、ちょぎぃちゃ…んが!」
「仲間のために散るんだ。なかなか美しい死に様だと思わない?」
「さぁ!立って!ほら!はしって!!!!!」
ドンッとちょぎぃに背中を押される。
そのまま私はフラフラと走り出す。
生きるってこんなに辛かったっけ?
side:木村
ひーちゃんが、逃げた。ここで2人とも減らしておきたかったのに。
だって私は生きたいんだもん。
誰だって死ぬのは怖いでしょう?
殺したくて殺すわけじゃない!!!!!!!!!!
ひーちゃんが走っていくのを見届けて、ちょぎぃがこちらに向き直る。
「ごめんね、生きたいよね?でもね、私にも君たちを逃がす訳には行かない理由があるんだよねぇ_______________約束したからさ」
そう言うとちょぎぃはこちらに歩いてきた。
身体中から血を流し、よく見ると左手の小指はちぎれかかっている。
「ほんとはね、最期までひーちゃん守って服毒自殺しようと思ってたんだよ?
そしたら身体の表面に傷はないし、綺麗に死ねるでしょう?
でも、もうこんなに傷だらけだからね〜」
どんどんちょぎぃとの距離が縮まっていく。
ちょぎぃはのんびりといかにも挨拶するように歩いてくる。
その動作の自然さと身体中の傷とのコントラストが私に罪の重さを訴えかけてくるようで。
もう辞めてよ、だって、怖かったんだ。
死にたくなかったの。私にはこうするしか無かったの。
目の前が真っ暗になっていく。
もう抵抗する気すら起きない。
「ごめんね?」
そう呟くとちょぎぃは夜狐にキスをする。
カリッ
何かが砕ける音ともに夜狐は苦しみ始める
ちょぎぃがにっこりとこちらを向く。
「さようなら、お互い様だね」
ちょぎぃの顔がぐんと近づいて、口の中に何かを押し込まれる。
僅かに甘いような苦いような味がしたら、喉が焼けるように痛くなった。
これは、毒だ。
天罰だなぁ、巻き込んでごめんね__________
夜狐……
ちょぎぃはばたりと倒れ込んだ2人を見送ると、
「頑張れ♪ひーちゃん」
そう呟いて崩れ落ちる。
_____________________________________________
ザザッザザザザー
こんばんは。夜のお知らせです。
死者は3人
夜狐さん、毒殺
木村さん、毒殺
ちょぎぃさん、服毒自殺です。
頑張れっ♪頑張れ♪
ザザッザザザザー
_____________________________________________
side:にむ&その
りんかちゃんとひょうそはしばらく経つとこの拠点を後にした。
きっと大人数でいるのが怖いのだろう。
襲われだばかり、そう感じるのも当たり前。
コンコン
また来客か〜
「にむちゃん?そのちゃん??」
ん??この声は唯川??
(念の為、反撃の準備をしておこ。)
そう、そのに小声で伝える。
コクリとそのは頷くと、刀を手に取った。
カチャリ
「どうしたの唯川?」
「死ねよ!!!!!」
ヒュンッと私の鼻先をナイフが掠める。
あっぶない!もしかしてこいつが皆を??
「唯川!!!!!どして襲うの!!!!」
そのが叫ぶ。
「みんな、みーんな死ねば良いんだよ!
こんな狂った世界、まともでいられる方がおかしいッッッ!!!!!そんなの病んでるね!!!」
「は!?!?人殺すぐらいなら、一人でブツブツクソツイしてろよ!!!!!!!!!!!!!!!」
危機感が足りなかった!この拠点の入口は1つ、そこには唯川がいる。逃げられない………
唯川はニタニタ笑いながら刃物を振り回して私たちに歩み寄る。
きしょっ!!!!!あーもう!こんな時でさえクソツイみたいなこと考えちゃう!!!!!
「唯川!馬鹿になったの!?!?落単しちゃうよ!?!?」
そのが唯川の気を逸らそうとする。
ん?逸らそうとしてるのか?素なのか?
とりあえず落単関係ねぇよ!!!!!
唯川がそのにナイフで斬り掛かる。
そのは刀でナイフを受け止め、何とか反撃しようとしている。
今なら唯川の武器をそのちゃんが封じてくれている!
そう思って私はその場にあった包丁で唯川に襲いかかろうとした。
次の瞬間感じたのは、ひんやりとした金属の温度。お腹から何かがじわじわと流れて、どんどん冷たくなっていく。
「え?」
私はお腹を見た。グサリとナイフが根元まで刺さっている。なんで?
唯川はもう1つナイフを隠し持っていたらしい。それを私に投擲したみたい。
あーぁ読み間違えちゃったよ……
私が刺されたのを見てそのちゃんは動揺したのか手の力を抜いてしまう。
その隙を唯川は見逃してくれなくて、右肩から左脇腹にかけてざっくりとナイフで切りつけてしまった。
「あはは、あの世で会おうね♪」
唯川はそう言い残すと狂ったように笑いながら、いかにも楽しそうに出ていった。
血が止まらないよ、もう二人共死んぢゃうなぁ〜。
誰に言われなくても自分たちが1番分かってる。
どんどん抜けていく感覚にこれが全部夢だったような気がしてきた。
私たちは2人で寄り添って、
「ねえねえ、そのちゃん。夢から覚めたら2人で一緒に暮らさない??」
「え〜、にむ野郎と2人で暮らしたら絶対に2人で留年だよ〜、それも楽しそうだけど♪」
「いい考えでしょ?」
「うん…眠たくなってきちゃった……」
「おやすみ、そのちゃん♪」
「おやすみ、にむちゃん♪」
2人は穏やかに眠りにつく_______________
目覚めることはないけれど。
side:さんた
誰もいない拠点をガチャガチャと漁る。
ん〜いい武器無いかなぁ……
すぐに死んだら面白くないなぁ
銃は面白くない……
私はロングソードと投擲ナイフ、チェーンソーを手に取って人を探しに行く。
「はぁっはあっ、ううう、」
誰かの声がする。まあ、この際誰でもいいよ。殺せるなら。そう考える私の口元は弧を描く。
そこに居たのはひーだった。
「さ、さんた??」
明らかに脅えた様子でひーは尋ねる。
そんなこと言ってないで早く逃げた方がいいよ〜、なんて考えながら。
「ひー??良かったぁ、ひとりぼっちで不安だったんだよね〜……」
なんて言いながら、体は真逆の反応を示す。
投擲ナイフでひーの足や手のひらを地面に縫い付けるみたいに刺しつけていく。
使ったことなんてないのに、今までずっと使ってきたみたい。
ひーは、何やら叫んでる。ごめんね?かな??
悲鳴だからよく聞こえないや♪
ひーの顔は絶望とか、懺悔?かな??でみるみるうちに歪んでいく。
_______________ああ、もっと見せて??
もっと苦痛に歪んだ顔でこっちを見て???
とっても素敵♪
こんなの殺しちゃうなんてもったいない……
もっとずっと見ていたい。
だから、私は少しずつ殺していったんだ。
指を1本ずつ切り落として、次に四肢を切り落として。
だけど、綺麗な顔をしてたのは最初だけ、どんどん表情が抜け落ちて行って、ちっとも綺麗じゃない。面白くない。
最後に首をチェーンソーで切り落とした。
何でかな??最初はとってもゾクゾクしたのに。もう足りない。まだ殺し足りない。
次は誰を殺そうかな♪
side:お麩
あはは、あはははは、あーー!!!!!
ほんとに面白い♪すこーし、こちらが刺激を与えるだけですぐに殺し合い始めるなんて。クスクス、本当に世の中バカしかいないわ♪
「やめて!!!!!ようちんに、そんなことさせないで!!!!!……お願いだから………お願い…………」
はあ、さっきからそればっかり。
飽きてきちゃうわ。
『あずきさん、うるさいですよ?すごく耳障りです。』
こいつを捕まえておけば、ようさんが思い通りだと思って監禁していますけど、ようさんは肝心なところでトドメをさせないし、あずきさんはうるさいし、もう殺してしまいましょうか。はぁ。
「私は死んでもいいから、ようちんは、お願い、ようちんだけは殺さないで………」
本っ当にうるさい。うるさいなあ〜、せっかく楽しいのに。いちいち水を差さないでくれますか??
_______________もう殺しちゃおうかしら?
ああ、それもいいかもしれないわ。
役立たずのようさんが怒りに狂って、使えるようになるかもしれない。
刃向かってきてもとっても刺激的♪
「お願い……私はどうなってもいいから……」
ふふっ、私は笑いが堪えきれません♪
『お望み通り殺して差し上げます♪』
「じゃあ!ようちんは!!!!!」
『さようなら♪』
パァァンッッッ!!!!!
ふふ、ふふふ、あは、あはははは♪
刺激が足りないのよ。この世界は!
可笑しいくらいに狂っているのに、いつまでものほほんと平和を謳うのよ?
初めから世界は病んでるの♪
私はみんなにそれを気づかせてあげているだけ。
神が人を導くようにね♪
side:刺身&萪
いつ殺されるんだろうか。
短い人生だったなぁ〜………
声の主の正体に気づいてしまった以上、私たちに生き残る術はないだろう。
何としても殺しにくるに違いない。
「怖いなぁ」
思わず私はそう呟いてしまった。
ここには私だけじゃなくって刺身ちゃんもいるのに。
「そうだねえ、でも死ぬ覚悟が出来るだけ私たちは幸せなのかもしれないね、死ぬのは嫌だけど……あはは」
そうやってなにか吹っ切ったように笑う刺身ちゃん。
そうなのかもしれない。
きっと今まで死んでしまったみんなはほとんどが不意打ちだったんだろうな……
こん、こん、
控えめなノックが響く。
2人で目を見合せ覚悟を決める。
扉近くにいた私がドアを開けた。
そこに居たのはようだった。
ようの顔は涙でぐちゃぐちゃで全く私たちを殺しに来た人間には見えない。
しかし、その手にはしっかりと短刀が握られていた。
「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい」
「とりあえず、座ってくれる??」
そう刺身ちゃんは穏やかに促す。
ようちんは戸惑い傷ついたような表情で固まってしまった。
「わ、私はあなた達を殺しに来たんだよ?!」
「知ってるよ。もう覚悟は出来てる。」
「なんで??なんで?怖くないの???
今からあなた達を殺そうとしてるんだよ?」
「なんで殺すのか教えてくれる?」
あくまで穏やかに微笑みながら刺身ちゃんは尋ねる。
「あ、ずきが、声の主の人質で、、絶対にあずきだけは死んで欲しくなく、て、
絶対に死なせたくなくて!!!!!!!!!!」
涙で途切れ途切れになりながら話すよう。
あ〜そういうことだったんだ。
それで利用されちゃったんだね。
そう思ってちらと刺身ちゃんに視線を送る。
刺身ちゃんも気づいたようで目を合わせてこくんと頷いてくれた。
「あのね、ある事情で私たちはもう死ぬって分かってたの。だから、刺身ちゃんと相談してできるだけ楽に死ねるように考えたんだ。」
そう言って私は忍ばせていた丸薬を見せる。
「これを飲んだら、眠るように楽に死ねるんだって。」
そう刺身ちゃんが付け足してくれた。
ようちんはポカーンと口を開けていて、なんだかそれが面白くって声を立てて笑ってしまった。
少し落ち着いたところで、2人でニッコリ顔を見合わせてパクリ。
最期に話せて楽しかった♪刺身ちゃん♪
私はだんだん瞼が重たくなって、、、
_____________________________________________
ザザッザザザザー
おはようございます♪
昨夜の死者は
にむさん、失血死
そのさん、失血死
ひーさん、ショック死
刺身さん、服毒自殺
萪さん、服毒自殺
今日も張り切って頑張りましょう♪
うふふ、うふはははあははははははは
ザザッザザザザー
_____________________________________________
side:如月&ひじり
私たちは人が死に始めて、拠点にいるのは危険だと判断し、鬱蒼とした森をさまよい続けていた。
今は朝。さっき昨夜の死亡者の放送があったばかりだ。
「ひりさん、昨日はたくさん死んだんだね…」
「うん……。」
私はなんと答えたらいいか分からない。
「あのね、ひりさん、ひりさんは絶対に生き残ってね?絶対だからね?死んだら嫌だよ、?」
「貴方も生き残るんだよ。絶対に。らぎ。」
私はらぎがここずっと繰り返すこの言葉がどうしても嫌いだった。まるで、自分を犠牲にするみたいな言い方。
私は、らぎに、生き残って欲しい。
ザクリッ
突然私の耳元で破壊音が聞こえる。
すぐそば、隣の木の幹にはぶっすりと深く投擲ナイフが刺さっている。
「らぎ!!!走って!!!!」
そう言って私は如月の腕をグンッとひく。
今誰が攻撃しているのか確認すべきときではない。
逃げろ!!!!!全力で逃げろ!!!!!!!!!!!!!!!
ひゅんっひゅんっと耳元で風を切る音が通り過ぎる。
恐怖で足が竦む。立ち止まるな!
「なんで逃げちゃうの〜?
待ってよ〜ひじり!如月!私と遊ぼ???」
まるで無邪気な子供が呼びかけるように声が飛んでくる。
これは_______________さんたか…………
なんでかなぁ、なんでこんなことになっちゃったんだろ。なんで私は今さんたに殺されそうになってるの?
あんなに仲良かったのに。どうして狂ってしまったの????
そういう思考が私の足を鈍らせていたらしい。
背中になにか生暖かいものが流れる感覚。
不思議と痛みはあまり感じない。
ただただ動けなくなっていく。
「ッッッ!ひりさ!!!!」
泣きそうな声で如月がわたしに駆け寄る。
ダメだよ、早く逃げて…
「にげ、て、い、ます、ぐ!」
体が硬直して上手く声が出ない。なんで、こんな時に?
私をおぶって逃げようとする如月。
「ひりさは、私が絶対に死なせない!死なせない!絶対に!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「わ、たしを、置いていきなさい!!!!!!!!!!」
頑として聞きいれてくれない。
お願いだから……
その時、ドンッと後ろから押される感覚。
ごぷり。
鮮やかな赤で視界が染まる。
「き、さら、ぎ??」
「ひ、りさん?」
振り向いた如月も赤。
朝日に照らされ、てらてらと輝く。
私たちは後ろからぶっすりと串刺しにされていた。
「仲良しな2人だから、一緒に殺してあげるの♪」
とニンマリ笑いながらさんたが告げる。
なんだろうなぁ、憎いはずなのに輝いていて。
鮮烈な赤。てらてらと輝いていて。
朝日が柔らかに差し込む姿は強烈に美しい。
なんて皮肉だろう。
私の視界は段々と色を失い、闇になる。
side:よう
あずき、あずき、あずき!!!!!!!!!!!!!!!
必ず助けるから、絶対に助けるから!!!!!
待ってて、すぐに助ける!!!!!!!!!!!!!!!
ガチャり。
この扉を開けるのは3度目となる。
前とは違う鉄と硝煙の匂い。
なんだろう、1歩踏み出す。
ピチャリピチャリと床が濡れていることを私の足音が示す。
一体何で_______________?
ゆっくりと視線をあげると、そこにはあずきが吊るされていた。
『待ちくたびれましたよ?よーうさん?』
にまにまと笑うお麩。
「あ、あずき??あずき????返事して……ねぇ!!!!!!!!!!!!!!!お願いだから!!!!!!!!!!!!!」
返事がない、なんでなんでなんでなんで!!!!!
あずきの元に駆け寄る。
氷みたいに冷たくて、あずきがもう居ないことを示していた。
「どぉして!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あずきが…………なんで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『ん〜?ぐずぐずするようさんのせいでしょうか。結局萪さんも刺身さんも貴女が殺した訳では無いでしょう??
まあ、暇つぶしみたいなものですがね♪』
なんでなんでなんで!!!!!!!!!!!!!!!
お前が死ねばよかったのに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんで!!!!!お前が死ねば!!!!!!!!!!!!!!!
「しn[パァアンッ]
『あはは、面白い♪面白いくらいに予想通り♪でもねそこが貴女は退屈なの』
side:りんか&ひょうそ
ひょうそちゃんはまだ歩くことが出来ない。
荒い息を立てて寝ている。
どうか回復して欲しい。
猫派の、みねおの意志がこの子にかかってる!
がさり
背後で草が動く音がした。
逃げなければ!私はひょうそをしっかりとおぶって走り出した。
パンっパンっパンっパンっ!
何発も乾いた音がする。
走れ、走れ、
なんで、もっと手軽な武器にしなかったんだろう。
逃げながらでは応戦できない……
「待てッッッ!!!!!待ってよ!!!!!!!!!!お願いだから、死んで……!!!!!」
そんな悲痛な叫びが後ろから聞こえる。
恐らくゆっぴーだろう
なんだかもう色々ぐちゃぐちゃで、殺されかけているのに、ゆっぴーの壊れたラジオみたいな叫び声に胸が痛くなって、泣きたくなる。
銃声はやまない。
段々とひゅんっといった風を切る音が聞こえてきた。
標準があってきている!
とんっという衝撃を背中に感じた。
連続して、とんっとんっ、とんっ
「うっぅううう、痛い、痛いよぉ。」
ひょうそのか弱い声。
驚いて振り返ると、ひょうそが背中から血を大量に流していた。
鮮やかな水色だったひょうその服が熟れたさくらんぼみたいな赤に染っていき、どす黒くなっていく。
ひょうそが私の肉壁となってしまったのだ。
嫌だよ、やめて、この子だけは、私が代わりに死んでもいいから……!!!!!
初めて、誰かの英雄になれると思った。
猫ちゃんとみねおに意志を託されて、それを私が引き継いで。
この子を、ひょうそを守り抜くことで、ひょうその英雄になれるんだって。
私はこのゲームの勝者にはきっとなれないけど、ひょうそが勝者になれば私はひょうその心に生き続けられるって!!!!!!!!!!
そう思ったのに………
なんでかなぁ、なんで私はこうなるの??
お願いだから………
「死なないでッッッひようそ………」
「ぃだぃ、いだいよ、もう死なせて??もう嫌だ、みんな犠牲になるんだ、私のせいで………」
なんで、そんなこと言うの??
私たちを否定しないで_______________
「私のために死んで……お願いッッッ!!!!!」
パァッパァンッッッ!!!!!
ただ何かを残したかっただけなのにな。
side:さんた
あははは、沢山殺せたね♪
今まで法なんか形のないものに縛られて馬鹿みたい。
これが正しい人間の本能なんじゃない?
狩りをするって同じことでしょ???
ざっくざっくざっくざっ
草をかき分け進んでくる音がする。
誰かな〜♪
「あっ!さんた!!探したんだよ!!」
現れたのは唯川。
「奇遇だね!私も唯川探してた!!!!!!!!!!」
「あのね、」
「「私に殺されて死んでくれ!!!!!!!!!!」」
こんな所までそっくりなんて、うふふ。
だから殺したくなっちゃう♪
大好きだよ、大好きだから、私に殺させて!
2人で同時にお互いに飛びかかる。
顔と顔とがぐんと近づく。
今までになかったことばっかり。
全身の血が粟立ってまるで沸騰しているみたい。
生きてるってこういうこと。
死にそうになって初めて体感するんだもん。
皮肉だよね〜
そんな時、スパッと私の頬を唯川の短刀が切り裂く。
つーと、あか〜い血が流れて、私も人間だったって、ほっとしてしまった。
どこかでなんだか違う生き物になったような気がしていたのかも知らない。
馬鹿馬鹿しいけどねッッッ!
そんなこんなでどのくらいだったんだろう?
私たちはお互い切り傷だらけでボロボロ。
いつの間にか見たことも無い場所に出てた。
波の音がする断崖絶壁。
お互い息も絶え絶えで、たってるだけで苦しそうなのに、爛々目だけが輝いてる。
そんな時、唯川がポイッと短剣を放り投げて、私に近づいてきた。
「ね〜ね〜さんた??楽しかった??
私はとっても楽しかった!!!!!今までどうやって生きてたのか分からないくらい、体がゾクゾクして血が流れるんだよ。」
私も持っていたサバイバルナイフを放棄して、
「ほんとにそうだよ。楽しすぎて時間忘れちゃった♪はしゃぎすぎたね?唯川〜」
「せやな〜終わりにしよっか!」
どちらがどう言うとでもなく、2人で抱き合って、お互いを突き落とすように崖からダイブした。
得も言い難い開放感。爽快感。
私たちはこれで自由になれる♪
「唯川、地獄でまたね。」
side:しけ&しげ
「しげお〜、もう、あとちょっとしかみんな生きてない……」
「大丈夫。きっと生きて帰ろうね、」
しけはすっかり弱気になってしまったみたいで、そんな言葉を多く投げかけるようになった。
どれだけ無責任な事を言っているのか理解しているつもりだ。
だが、気休めが必要な時もあるだろう。
何とか精神共に無事なまま生き残って欲しい。
私はまだ死ぬ時じゃない。
まだ、幸運なことに襲われた経験はない。
というか襲われたらほぼ100%死ぬしかないんだろうな。
反撃を迷ったらいけない。生きられない。
しゃく、しゃしゃく、しゃくしやく。
不安定な足音が聞こえてくる。
まだ誰かに遭遇した経験のなかった私たちは逃げることより、振り返ることを優先してしまった。
そこには弱々しく銃を構えたゆっぴーの姿。
私たちはやっと状況を理解する。
咄嗟にしけを巻き込んで倒れ込んだ。
ひゅんという音がして頭上を通り過ぎた。
多分髪の毛何十本か切れた。
近くに生えていた木の影に隠れ、私は迷いなくグレネードを手に取る。
何とか足止め出来たらくらいの気持ちだった。
ピンを抜いてゆっぴーの方に投げつける。
耳を塞いで爆発を待つ。
ばぁぁあぁんッッッ!!!!!
キィィィィイイインと、耳鳴りの音。
振り返ると、ゆっぴーが倒れていた。
片方の足の太もも部分が大破、もう一方も大動脈を傷つけてしまったらしくて、出血が止まらない。
こんなに威力があるなんて知らなかった。
ゲームとかでは雑魚武器じゃない!
人が死んじゃうの……?
私は急に血の気が失せてガクガクと木の幹の裏で動けずにいた。
ゆっぴーはガタガタと痙攣して、
「生きたかっただけなのに……」
と呟いて動かなくなってしまった。
さっきからしけは黙ったまま。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
ザザッザザザザー
お昼のお知らせです♪
如月さん 刺殺
ひじりさん 刺殺
ようさん 銃殺
ひょうそさん 銃殺
りんかさん 銃殺
唯川さん 転落死
さんたさん 転落死
ゆっぴーさん 失血死
残るは2人です♪殺し合いましよぅ!!!!!!!!!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あと2人だね……私たちかな?」
そう言って振り返ろうとすると頭にカチリ
と固いものが押し当てられた。
「ごめん、ごめんね、ごめん、しげ。」
しけはそう言って泣きながら謝ってくる
私は銃身を握って、振り返る。
「しけちゃん、これで元の世界に戻れるから。何があっても死んじゃダメだよ?
世界はきっとここよりまとも。」
そう言って私は自分の眉間に銃口を押し当てる。
私はここで生き残っても、戻ったところでろくに生きられない。
ゲームが始まった時から死ぬと決めていたし、今更だ。
ゆるゆるとトリガーへと手を伸ばし、しけの手の下に滑り込ませる。
「今まで仲良くしてくれてありがとう!!!!!
楽しかったよ!!!!!リア凸できたし満足かな!
来世で会おう!またね〜」
そう言うと私は自分でトリガーを引いた。
かちっ。
私の目の前で血が弾ける。
ぴぴぴッッッと生暖かい血が顔にかかる。
今まで生きていた証が、熱がどんどん消えていく。
自分で殺そうとしたくせに_______________
『うふふ、最後のお知らせです♪』
『しげおさん 自殺
しけさん 生存。
おめでとうございます♪しけさん!!
さあ、帰りましょうか!私たちのどこまでも病んだハリボテの世界へ!!!!!』
そう言って声の主_______________お麩はペタンと座り込んでいる私に手を差し出した。
「ハリボテ……?」
『ええ!ええ!ええ!そうですよ?
あなた達が平和平和と幻想を抱いている世界は、今この瞬間も何人もの誰かが人を殺し、人に殺されているんですよ!!!!!
貴女たちはそれを見ようとしなかっただけ。今まで[ゲーム]と銘打ちましたが、これが現実。そうではありませんか??』
嗚呼、そうか、そうだったんだ。
元から世界は病みきってじゃないか。
しげちゃん、全然まともじゃなかったよ……
だから_______________
私はお麩さんの手を取り立ち上がった。
お麩さんは実にこのゲームの鑑賞を楽しんだようで終始大きく口を開けてニコニコしていた。
私はあくまで自然な動作で、グレネードのピンを抜いて、その憎たらしく弧を描く口に突っ込んだ。
お麩さんはこんなことになるなんて思わなかったみたいで、ポカンっとした後必死で抵抗を始める。
私はずっと左手でグレネードを押し込み続けた。
次の瞬間、爆ぜた。
赤色とかピンクとか白が花火みたいに散って
ぼとり、と落ちた。
まるで潰れたトマトみたい。
腐っていて全く美味しくはなさそうだけど。
私の左腕ももはや原型を留めてなくてぐちゃぐちゃだ。不思議と痛みは感じない。
ただただ今までそこにあったものが失くなってしまって、寂しいだけだ。
とぼとぼとしげおの所まで歩いていって、血濡れの拳銃を取り上げる。
______________________________ごめんね。
パァンッッッ!
終わり🎶
史上稀に見る駄作だって??